社内で「ドメイン駆動設計入門」の輪読会を主催して大満足

はじめに

社内有志メンバーで「ドメイン駆動設計入門 ボトムアップでわかる!ドメイン駆動設計の基本」の輪読会を行いました。
一人での読書であったり、ABDは何回かやってきましたが、輪読会という形式は初めてでした。
もともとは会社の分報でいつものごとく雑に募集してみたら多すぎず少なすぎずの人数になりそうだったので、開催して進めてみた次第です。 f:id:ohshige:20200420095830p:plain:w500

ドメイン駆動設計入門 ボトムアップでわかる!ドメイン駆動設計の基本

この本は、PHPerKaigi 2019のPHPer チャレンジで1位だったりCMでもおなじみの @nrslib さんの著書です。
ブログもいつも読ませていただいて、それを元に大幅にボリュームアップしたということで、買って読まなくてはと思っていました。

ドメイン駆動設計入門 ボトムアップでわかる! ドメイン駆動設計の基本

ドメイン駆動設計入門 ボトムアップでわかる! ドメイン駆動設計の基本

  • 作者:成瀬 允宣
  • 発売日: 2020/02/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

輪読会

DDDをしっかりと実践できたことがなく、周りにもそういうメンバーはいませんでした。
そういう状況であるなら、1人で読み、1人でフムフムと言っていても仕方がないのではないかと感じて、皆で読んで議論することがとても効果的な読書法なんじゃないかと思い、輪読会を主催することにしました。

ABDにしかなかった理由は、一応章ごとに独立してるとは言え、前半で出てきた用語がわからないと後半は理解しにくくなるかもしれないと感じていたからです。

結果的に、ありがたいことに、6人でやることになりました。
やり方としては、全15章+APPの章立てのところを2〜3章ずつ全6回に分け、週に1回の会を設け、その会までに該当の章を全員が読んでくるようにしました。
当日は、担当者がファシリテーターとなり、その章の簡単なまとめと議論の進行などを行う形式にしました。
全6回で6人いるので、1人1回はファシリテーターをすることになります。

輪読会というと、1人が読み込む人となり会当日に他のメンバーにプレゼンをする形式もあるかと思いますが、そのような形式はとらずに、必ず全員が事前に読んでくるようにしました。
理由としては、本書がコードも結構載っていて意外と分量が少なく苦にならないのではないかということと、プレゼン資料を作る時間が勿体ないということと、議論メインにするために前提条件を揃えたかったということがあります。

やってみて

集まったのは、新卒1年目から社内では中堅と呼ばれるメンバーまでで、扱う業務も一部異なっており、議論は全体を通してかなり盛り上がりました。
同じ年次のメンバーだけでやるより、かなり効果的な会になったのではないかと思います。

中堅メンバーは色々な経験をしている分、本書で出てきた表現に関して「わかるわかる」と頷きつつ、それがすべて正しいかったわけではないと理解しつつも、若手が業務になぞらえて話題を提供したときには過去の経験の話をする場面も多々ありました。

若手メンバーとしては、本の内容だけだとどうしても机上の話になってしまいがちなところを、中堅メンバーの実業務での経験も交えた話が加わることで現実感が増し、想像もしやすかったということがありました。
逆に、中堅メンバーとしては、これまでの自分の仕事や考えがすべて正しいわけではないと考えているときに、本書の説明を読んで、「あれは正しかったんだ」「あれはこうすれば良かったんだ」と物思いに耽る場面もありました。

本書のような設計や、他にもアーキテクチャ、思想などの話は、原理原則とは異なり、全てを無条件に受け入れられるわけではありません。
そのため、1人で読んでいるだけだとモヤモヤしたまま終わってしまっていたかもしれないところを、声に出して議論できた点はとても有意義でした。
意見が異なっていたり、同じ意見であったり、過去の経験からの補足を聞けたり、新鮮な意見を聞けたり、大満足でした。

コロナの影響で外出自粛で在宅勤務となり面と向かって輪読会はできなくなりましたが、オンラインで続けることができていて、幸か不幸か読書の時間も確保しやすくなりました。
さらに、とても良い会だったので、次の課題図書も決めて第2回が開催されることが決まりました。
オンラインかオフラインかはコロナ次第ですが、良い本で良い知識をどんどん吸収し、いろいろなことに生かしていきたいと思います。

さいごに

ドメイン駆動設計入門はかなり読みやすく、わかりやすく、とても勉強になりました。
翻訳本にありがちなぎこちない日本語や理解できない謎のジョークは、もちろん一切出てこないので、それもありがたいです。
他にも、強強な方々が日本語で素晴らしい本を書いていただけるととてもありがたいですね。